岡田悠太さんが22nd Society for Free Radical Research International Biennial MeetingにてSFRR Japan Young Investigator Award 2025を受賞
2025/06/12
- システム理工学専攻
受賞者
岡田 悠太 さん(システム理工学専攻)
指導教員
福井 浩二 教授(システム理工学部)
大会名
22nd Society for Free Radical Research International Biennial Meeting
賞名
SFRR Japan Young Investigator Award 2025
発表題目
DETERMINATION OF THE BACTERICIDAL SUBSTANCE IN HYPOCHLORITE BY IODOMETRIC TITRATION

研究内容
次亜塩素酸ナトリウム溶液中の主な殺菌成分として知られる物質は、実は殺菌力をもたず、別の物質が溶液中に存在し、KI法で定量されていることが示唆されました。したがって、KI法は塩素系殺菌剤が本来有する殺菌力を適切に評価できないだけでなく、被験物質がこれまで考えられてきたものとは異なる未知の物質であることを明らかにしました。
研究目的
次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系殺菌剤は従来、水道水やプール水、生鮮食品などの殺菌に用いられてきました。コロナ禍では、供給が逼迫したエタノールの代替品としても活躍しました。しかし、その殺菌メカニズムや活性分子種には未解明な点が多く、高精度な殺菌評価法も確立されていません。現在日本で普及している殺菌評価法として、水道法に準じたヨウ素還元滴定法(KI法)があります。しかし、どのような分子種がKI法で測定されているかは不明瞭です。そこで本研究では、KI法で定量される塩素系殺菌剤由来の活性物質の同定にアプローチしました。
今後の展望
今後の展望
KI法における被験物質の全容が明らかになれば、塩素系殺菌剤の殺菌メカニズムの解明に役立つうえ、より強力かつ安全な殺菌剤の開発にも有用であると考えられます。今後は、分析機器を用いた試験に加え、実際の細菌を用いた殺菌試験を通じて、KI法で定量される物質の分析を引き続き進めます。